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らくちん道への道

寄生虫なき病(モイセズ・ベラスケス=マノフ 著 赤根洋子 訳)

寄生虫なき病

モイセズ ベラスケス=マノフ / 文藝春秋


内容紹介
カバー写真の恐ろしげな生物。これは「アメリカ鉤虫」といって、かつて米国で猛威をふるった寄生虫だ。米国では現在は根絶されたこの寄生者に、著者はわざわざメキシコへ赴いて感染しようとする――。なぜか? 著者は「自己免疫疾患の全身脱毛症」ほか、数々のアレルギーを患っている。有効な治療法はない。しかし、こうした自己免疫性の病の治療法として、この寄生虫が売買されているというのだ。サイエンスライターの著者は、自らこの療法に挑むとともに、寄生者と病の関係についての果てしない探究に乗り出した。

かつて人間は体内に必ず多くの寄生虫、細菌、ウイルスを持っていた。だが近代、公衆衛生は劇的に向上し、それらは駆逐され、感染症は激減した。しかし、一部の科学者はそれに反比例するように新たな病が増えていることに気づいていた。花粉症、喘息、アレルギー、そして自己免疫疾患。クローン病、多発性硬化症といった聞きなれない病が明らかに増加している。これらの出来事には関連があるのだろうか? 「寄生者の不在」が、我々の体内の免疫反応のバランスを乱し、病をもたらしているのだろうか?

著者は8500本にも及ぶ研究を渉猟し、多くの科学者にインタビューを重ねて、この疑問に迫る。各々の病の専門家たちが予感しつつも見出しえなかった、連鎖する「不在の病」の全貌が徐々に見えてくる――! そして著者自身の寄生虫療法の結末は!?
まさに「すぐそこにある」人類の危機があますところなく描き出される。解説の福岡伸一氏も「現時点での決定版的解説書。私たちの清潔幻想に警鐘を鳴らす問題作だ」と驚嘆する、超大作科学ノンフィクション!

5月2日の書評、『寄生虫なき病』 - 黒の過剰か、白の不足か(HONZ現代ビジネス)を読んで面白そうだったので購入し先程読了。

実際面白かった。
この本の資料の多さだけをみても、この著者は凄い。

寄生虫とアレルギー、自己免疫疾患の関連については、1960年代からいわれているらしい。
日本では、先ごろ薬事法違反で書類送検(不起訴)された「寄生虫博士」こと藤田紘一郎先生が有名でこの本でも登場する。

11歳から自己免疫疾患に悩まされ続けたが医薬品で効果が出なかった著者は、長女が生まれた事によりアレルギー疾患から守る手段を考えるようになる。

アレルギーや自己免疫疾患が増えた原因が二十世紀前半にアメリカでは根絶された寄生虫にあると考えた著者は、メキシコにある「ホリスティック医学研究室」というところで、医師の手で体内に寄生虫を感染させる「寄生虫療法」を実践する、というのが前半のヤマ場。

マラリアと多発性硬化症や全身性エリテマトーデス、結核菌とⅠ型糖尿病、ブタ鞭虫とクローン病、胃ガンの原因でもあるピロリ菌と食道ガンと結核、テストステロン、自閉症との関係など興味深い話がたくさん出て来る。

寄生虫を体内に入れることのリスクもちゃんと書かれている。

よく清潔すぎる環境が良くないといわれることもあるが、清潔な環境ではないアメリカのスラム街のアレルギーの疾患の割合が他より多いというのも興味深い。

最後に、著者がこの後どうなったのか?と、これからどうすればいいのか?の仮説が書かれているが、気になる人はこの本を読むしかない。


日本語版の福岡伸一先生の解説はここで読める。
解説「不在」による病い 本の話WEB 様



整体・薬院らくちん堂



# by rakuchin-dou | 2014-05-11 03:05 | 最近読んだ本 | Comments(2)

2日連続で

歩いていて、地面に倒れている人に遭遇。

昨日は薬院駅前、今日は天神バスセンター前だった。

一応、念のため駅員や警察に伝えに行ったら、どちらも既に先に通報があり現場に向かっている途中だった。

率先して介抱していたのが、どちらも若い女性だった。

東京から引っ越ししてきて、「福岡市民は、電車、バスでは、お年寄りや妊婦に中々席を譲らない」と地元の人から聞く事が何度かあり、気さくな人が多い割に意外と不親切な土地柄なのかな?とも思っていたが、昨日今日の姿を見て安心した。




整体・薬院らくちん堂



# by rakuchin-dou | 2014-05-10 21:23 | 雑感 | Comments(0)

この「ケンカ術」がすごい! あっさりと勝つ法則10 (BUDO-RA BOOKS)

この「ケンカ術」がすごい! あっさりと勝つ法則10 (BUDO-RA BOOKS)

林 悦道 / 東邦出版


内容紹介
「ルールのない戦い」を科学的に大解剖!
ケンカの鉄人による“不敗"の兵法哲学

ケンカは体力勝負ではない。段取りで勝敗の9割が決まり、段取りをするのは頭脳である。ケンカの段取りをつける思考を、日常生活の中から習慣化し、必勝の方法を育成するノウハウと実践法を紹介。現代日本人に欠けている危機管理術の養成にも直結する内容。


「ケンカの鉄人」としてこの世界では著名な林悦道先生の新著。

昨年勉強会で知り合った理学療法士の方が、林先生が館長を務める岐阜の士心館の元キックボクサーだったことがわかり、在籍していた当時の林先生の話をいくつか聞くことが出来た。

内容は“ケンカ”がテーマだが、段取りが7割(9割というのは達人レベル)で肉体が3割というのは、(一般の)仕事と同じだと林先生は説く。

ここでの“ケンカ”は武術と同じと考えても良いだろう。

既存の本やDVDの一般的な護身術のデモだと、胸倉を掴まれたとか相手に何かされてから技を仕掛ける事が多いが、これだと肉体の要素が高くなるので、そうなる前の準備が重要というのはその通り。
最近でも、セルフ・ディフェンスではなくセルフ・プロテクションを提唱する武術団体が出て来ている。

相手に自分の間合いに侵入されてからでは反撃が相当難しいのは国対国でも同じ。

細かいテクニックについては読んでもらうとして、威圧して来る相手に対する目付けは使えると思う。
昔月刊空手道で金澤弘和先生がインタビューで語っていたような・・・
同様のものを私も他の先生にも習った事があり、相手の目の力の影響をを受けにくくなる。

気合を入れる事も重要で、結局はハラを練らねばならないということ。

ただ、「ケンカは頭が重要」と説く林先生であるが、ここで書かれている様な環境を利用したり意表を突くことを相手も知っていた場合には、逆に肉体の要素が重要になると思う。

ケンカに使い易いとされる中国武術の秘伝技には相手の意表を突くものが多いが、肉体の功夫がより重要視されるのはそういう事だと思う。
林先生の所でも、ケンカと格闘技は違うとしながらも、やっぱり道場では格闘技やウエイト・トレーニングをしている訳である。

実際に、格闘家で武術を知っている人は怖い。

参考:第1回 100%勝てるときでないと闘わない。
    第2回 実戦で強い人は状況設定のうまい人。
    第3回 こいつは強いなぁって思ったのは、台湾の蘇東成。 Tany's Labo様 



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# by rakuchin-dou | 2014-05-08 22:47 | 最近読んだ本 | Comments(5)

福岡市中央区今泉の整体・鍼灸院のブログ。仕事関係より読んだ本の感想がほとんど。
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