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らくちん道への道

ツボがある本当の意味 〜経絡理論を根底から覆すツボの考え方〜(BABジャパン)


内容紹介
“ツボの使い方”が変わる!
▶ツボは“経絡に沿って”ある訳ではなかった!?
▶ツボで“体の動きの中心”が変わる!?
▶患部から離れたところに“ポイント”がある!?
「経絡は発見されたもの」と思っているなら間違いです。経絡は人体の仕組みを視覚化するために、人体観察に基づいて誰かがデザインしたものだからです。ここで疑問に思いませんか? ツボが先? 経絡が先? 常識を覆しつつ、新たな時代を切り拓く、人体探究読本。

著者の鍼とツボへの愛が感じられる本。

整体理論が先で鍼灸をしている人にとっては納得する内容。

私が一番最初に習った均整法の極意ともいえる「角度と張力」や「平衡・可動・強弱」の三原則と同様なことが書かれている。

副題にある「経絡理論を根底から覆す」著者の意気込み。

確かに経絡理論やツボの配置については、約2000年前の中国で成立した治水や天体・気象・暦などの理論や思想を、(当時の政治的な理由などで)同じ自然の一部として後から人体の構造に当てはめたのだろうと思う。

(だから、この理論に当てはまらず経絡上から外れているのに、実際には効果がある奇穴などの新しいツボが次々追加されていく)

鍼灸の教科書の最初の方に出てくる経絡敏感人は実際にはいるし、私自身気功をした時など体内の様々な気の流れを感じるのは本当だが、客観的な証明ができているとはいえない。

有名な“アナトミー・トレイン”理論はどうなのか?と思って読んでいたが、この筋膜系の連結と経絡の関連性についての話が後半に出てくる。


経絡を発生学の最新知識から読み解こうとしたユニークな内容であり、著者ダニエル・キーオンさんは経絡信者ともいえる医師である。

彼ですら「経絡には実体がなく、人工的に構成された概念」と言わざるを得ないのが現状らしい。

だからといって「経絡は信仰である」と切って捨てるのは早計かとも思うが、今に生きる治療家が臨床で実際に効果の出せるツボを重視する気持ちは理解できる。

また、魚をさばく時に指ではなく包丁を使う事を例に「指圧では鍼と同じ効果が引き出せない」(P150)のはその通りだと思う。

整体が主体の私でも、日々の施術で鍼が使える事への感謝に堪えない。


参考:11.【記事】筋膜は身体のシンデレラ組織 ロルフィングのたちばな 様


<追記2019.3.31>

「閃く経絡」をざっと読み返したが、「経絡には実体がない」「人工的に構成された概念」などの著者が経絡を否定する文言は見つけれなかった。
どこに書いてあったんだろう?







by rakuchin-dou | 2019-03-31 01:47 | 最近読んだ本 | Comments(2)
Commented by シュガー at 2019-04-01 21:02 x
らくちん堂様

読みましたが著者の強い情熱が感じられ、身体の本で久々に感動しました。

ただ、私自身何度か鍼治療を受けたことがあるのですが、治療家の腕次第で極端に結果が変わるので、理論よりも職人的な勘が重要な療法なのかと考えています。ダニエル氏の考察もそれを裏付けているように思えます。本書の情報によって治療家の勘が向上し鍼治療の効果が更に高まることを願います。
Commented by rakuchin-dou at 2019-04-02 03:36
シュガー 様

コメントありがとうございます。

>治療家の腕次第で極端に結果が変わるので、理論よりも職人的な勘が重要な療法

これは鍼に限らずです。

体術的な切れ味や感覚が鋭敏な人など天才的な先生はいらっしゃいますね。

東洋医学の理論とされているものは、実際には理論じゃない気がします。

とはいえ、今は様々な方法論が開示されていて(これも重要)、私のような凡人でも真摯に身体を見(診)続けていたら腕は上がっていきますよ。

福岡市中央区今泉の整体・鍼灸院のブログ。仕事関係より読んだ本の感想がほとんど。
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