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らくちん道への道

関西出張+大東流合気柔術講習会

週末の連休は関西出張施術と日本伝の岡本眞先生の大東流合気柔術講習会に参加。

講習会で昔カイロプラクティックを学んでいた時の知人が来ていて、「武術のことはブログに書かないのか?」と聞かれた。

私は現在武術の技法内容については基本的に書かない主義だが、今回は“特別”に書こうと思う。

実は岡本先生の講習会参加は4度目で、お会いするのは数年ぶり。

独自に研究された触れ合気を中心とした理論や、岡本先生が交流した大東流各派の先生の技の話は大変面白いと思う。

合気系の武術をやっている人には参考になる事は多いであろう。

ただ、講習会に誘っていただいた先生には申し訳なかったが、個人的には合気については過去多くの先生の技を受け、今回も同様に限界を感じざるを得なかった。

多くの合気理論の基本は、人間が4足から2足の立位になった過程でバランスを取るための機能に身体のエネルギーを多く使うために、無意識に支えを取ろうとする本能的反射を利用する。

また柔術の基本技では人間の骨格的弱点を学ぶことを主眼とし、これに様々な生理反射を加えることにより崩しを容易にする。

触れ合気では、人間が察知しずらい刺激で崩し相手をコントロールする。

私は、日本の合気系武術を学んだ後いくつかの中国の武術を習って、ある種の基本に自らの自立機能を高める要素が多いと感じた。

自立機能が高まってくると、相手が掛けてくる微細な刺激に対してオートで復元してしまうので、この種の技がほとんど掛からなくなる。

また、相手が先に察知し、崩れないように踏ん張りなど身体を強く固めた場合には「当身を入れれば良いんだ!」と主張する先生が多い。

これは嘘ではないが、合気系の微細な崩しは自立機能を高めて過剰に反応さえしなければ何の問題もないことが理解出来れば、素人に毛が生えた程度のレベルの先生の当身はほとんど効果がないし、こちらが先に当身を入れることも可能である。

当然、先生が打撃の専門家であれば大きなダメージを与えられるし、格闘系組技の専門家のように技術+圧倒的な筋力の差があれば、多少の自立機能を高めただけでは身体ごと根こそぎ持っていかれ投げ飛ばされるであろう。

合気系の武術に長い事関わっている人の多くは、未知の現象に対する期待感が強くあり無意識の忖度が働きやすいか、この種の技に生まれつき感応しやすい体質を持っているか、自らの身体が崩れていることに鈍感である。

岡本先生に某会派の合気技について聞いたところ、「あそこは素人には技が掛かりにくいが、長く続けていると強く掛かるようになる」と仰っていた。

この会派だけでなく、先生の指導の中には生徒が上達するためではなく、生徒が無意識に技が掛かりやすくなるように躾けられている場合も多い。

また、先生が語る理論がどれだけ具体的だったとしても、実際にやっていることが全く違う場合も多いので、先生の話を鵜呑みにするのではなく十分な検証が必要になる。
(先生のファンクラブとして参加している人は、その必要はない)

結論で、合気系の武術(に限らないが)は内部でやっているなら問題ないが、勘違いして違う価値観を持つ外の世界に出た時に悲惨なことになるという話。

昔、無住心会の近藤孝洋先生とお酒を飲みに行ったことがあって、「武術家は自分ではリアリストだと語るやつが多いが、実際には武術家ほどロマンチストはいない!!!」と仰っていたが、これには同感である。







by rakuchin-dou | 2019-01-16 03:08 | 雑感 | Comments(10)
Commented by シュガー at 2019-01-20 21:40 x
らくちん堂様

>結論で、合気系の武術(に限らないが)は内部でやっているなら問題ないが、勘違いして違う価値観を持つ外の世界に出た時に悲惨なことになるという話。

私は武術をやりませんが、周囲からこのような話はしばしば聞こえてきます。護身的な強さを得たいならば、格闘技を地道にやるのが一番なのかなと思います。

>昔、無住心会の近藤孝洋先生とお酒を飲みに行ったことがあって、「武術家は自分ではリアリストだと語るやつが多いが、実際には武術家ほどロマンチストはいない!!!」と仰っていたが、これには同感である。

近藤先生の著書を拝見したことがあるのですが、技法の説明に使われる言葉はオカルト的でしたが、内容自体は意外と実践的だった記憶があります。リアルとロマンのバランスを取られていたということなのでしょうか。
Commented by rakuchin-dou at 2019-01-21 01:37
シュガー 様

>護身的な強さを得たいならば、格闘技を地道にやるのが一番

格闘技をやっていることで相手がビビッてくれれば護身術として使えますが、使って勝っても普通に過剰防衛ですので一番とはいえません。

確かに命が掛かれば、身近な武器使用などなりふり構わない行動が必要となるでしょう。

護身で先ず重要なのは事前の準備と状況把握で、危険なところに近づかないか、間違って危険な状況になりそうな時いかに早く離脱することを考えた方が良いです。

ユニークな考えを持つYSPCの渡辺先生はセルディフェンスではなくセルフプロテクションといっていますね。

あくまでも私個人の感想ですが、近藤先生の技や理論は習われた太極拳と八光流+カスタネダなどニューエイジ的ネタをベースにして、(あとは結構思いつきで)気の鍛錬で得たであろう催眠術的な影響力が強い感じです。

また、飛鳥昭雄さんの大ファンであるように(別の次元世界で得た)ロマンをいかに現象として出現させるかに主眼が置かれている気がします。
Commented by rakuchin-dou at 2019-01-21 06:38
<追記 体術について>
独自の太極拳を練られていて、捉えにくく速さを持った動きができると感じました。

色んな嵌め手も得意としているようでした。

ただ、DVDを見た人はわかると思いますが、(手加減の結果なのか?)デモで行う崩しや当ての威力が今一なところが残念ではあります。
Commented by シュガー at 2019-01-24 01:00 x
らくちん堂様

>格闘技をやっていることで相手がビビッてくれれば護身術として使えますが、使って勝っても普通に過剰防衛ですので一番とはいえません。
>護身で先ず重要なのは事前の準備と状況把握で、危険なところに近づかないか、間違って危険な状況になりそうな時いかに早く離脱することを考えた方が良いです。

ご指摘ありがとうございます。この発想はありませんでした。あまり治安のよくない地区に住んでいる友人が護身について悩んでいたので、このお話をさせていただきます。

>また、飛鳥昭雄さんの大ファンである

存じ上げませんでした。近藤先生もロマンチストだったのですね。デモにおける先生の技は確かに威力を感じられませんでしたが、手加減であってほしいと思っています。
Commented by rakuchin-dou at 2019-01-24 02:48
シュガー 様

護身は災害への備えと同じように考えた方が良いかもしれません。

例えば夜遅くの帰宅やお酒を飲んだ時にはタクシーを使うとか、お店に入ろうとしたときに何となくイヤな雰囲気を感じたらそこを離れるとか、想定できることはいくらでもあります。

人間関係のトラブルにしても時には武術が役に立つ場面もありますが、武術家メンタルはヤクザと一緒で争いを引き付けますので、下手に格闘技とか武術とかに関わらない方が良い場合も多いです。

単純に相手をビビらせたいのなら、格闘技より筋トレで肉体改造でしょう。

ただ、相手が武器を持っていたり多人数だったらどうしようもないので、喧嘩を買わないことや怨まれないように普段からの謙虚さは大事です。
Commented by rakuchin-dou at 2019-01-24 03:17
<つづき>

武術愛好家である私ではありますが、前に参加したある護身術教室で相手の素手の攻撃を手で避けた時に「森坂さん、その避け方では相手がナイフ持ってたら切られてますよ!」と注意されたことがあります。

内心では「そもそも、こちらが素手で殺意があってナイフを持った人にこんな近くの間合いまで入られたら、ほぼ間違いなく切られるか刺されて死んでるよ…」と冷めた目で聞いていました。

究極の達人とかを目指すのならまだしも、女性にも出来ることを謳った内容なら全くリアリティがないのですが、商売的にもこういうことをやらざるを得ないわけです。

近藤先生もそうですが、武術にハマる人は余程の変わり者かロマンチストなんですよ(笑)
Commented by シュガー at 2019-01-26 00:56 x
らくちん堂様

より詳細な護身の解説、本当にありがとうございます。
友人にしっかりと伝えたいと思います。

そういえば、岡部先生がDVDを出されたようですね。秘伝誌での連載が心に響いたので購入してみました。アマゾンの発送が遅れていますが、到着を楽しみにしている次第です。

Commented by rakuchin-dou at 2019-01-26 05:50
シュガー 様

私の武術の話は夢がないのが多くてごめんなさい。

岡部兄弟子のDVD購入されたのですね。
ありがとうございます。
ご覧になったら、是非感想を教えてください。
Commented by シュガー at 2019-02-13 21:14 x
らくちん堂様

岡部先生のDVDを拝見しました。
とても素晴らしい内容だったと思います。
作品は大きく二部構成になっており、
第一部で太極拳をベースとした身体運用法とそれを身につけるための体操、第二部で身体運用を実戦に活かす練習法がそれぞれ解説されています。

一部の内容も素晴らしく、武術を嗜まない私も身体運用法に基づく体操を毎日行っております。体は確実に楽になり、力仕事をする際の効率も良くなっています。
しかしながら、特に優れているのは第二部で、ここまで詳細に太極拳の実戦を解説した作品は私の知る限り初めてです。太極拳を学ぶ格闘選手は意外と多いと聞いたことがありますが、実戦にそれをどう活かすか悩んでいる選手にとって、DVDで語られるサンドバッグを使った稽古法は福音となるのではないでしょうか。

結論として、どのような方にでもおすすめできる優れた作品ですが、特に現役の格闘家や武術家の方は得られるものが大きいと思います。
Commented by rakuchin-dou at 2019-02-15 01:29
シュガー 様

DVDの感想ありがとうございます。
気に入っていただけたようで良かったです。
兄弟子に代わってお礼申し上げます。

私もまだ未視聴なので、詳しい内容を書いてくださり助かります。

福岡市中央区今泉の整体・鍼灸院のブログ。仕事関係より読んだ本の感想がほとんど。
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