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らくちん道への道

超越と実存 「無常」をめぐる仏教史(新潮社)


内容紹介
私とは何か。死とは何か。仏教とは何か――。
全身全霊の問いから始まった仏教探求の旅。ブッダから道元までの思想的変遷を読み解く、仏教史の哲学。
「諸行無常(=すべての〝実存〟は無常である」。そうブッダが説き始まった仏教は、インドから中国、そして日本へと伝わる過程で、「仏性」「唯識」「浄土」などの「超越的理念」と結びつき、大きく変化していった――。
「私がねらうのは、ゴータマ・ブッダに淵源する、私が最もユニークだと思う考え方が、その後の言説においてどのように扱われ、意味づけられ、あるいは変質したかを見通すことである。(中略)無常という言葉の衝撃から道元禅師の『正法眼蔵』に出会い、果てに出家した自分の思想的遍歴を総括しようとするものである」(序章「問いの在りか」より)
「恐山の禅僧」が、ブッダから道元までの思想的変遷を「超越と実存の関係」から読み解く、かつてない仏教史の哲学。


釈迦から中国→日本へと伝わった仏教について、著者の南直哉さんの個人的仏教史。

「自分が何故生まれ死んでいくのか?」という、自らの存在意味についての問に対しての仏教。

著者は信仰としてより道具としての仏教を選んだところは、私自身大変共感するところ。

釈迦が残したとされる言葉を読むと、身も蓋もなく救いがないように感じるところもあるが、逆にそれが救いとなる場合もある。

法然と親鸞、道元と懐奘という、どちらも強い師弟関係に結ばれた間であっても、師の死後に考え方が全く違っていく様は面白い。

2500年前から今に至る仏教の伝承も、個人個人で解釈がしょっちゅう変わっていったのだろう。












by rakuchin-dou | 2018-03-09 22:05 | 最近読んだ本 | Comments(7)
Commented by 豚丸 at 2018-03-10 03:33 x
仏教は人生に絶望してる人には薬になります。逆に人生を謳歌してる人が仏教に触れると、絶望感に取りつかれてしまう危険があるかもしれません。
Commented by tokoroten093 at 2018-03-10 17:14
昔読んだ漫画で たかもちげん 祝福王 というのがありました。
らくちん道さんも読んだ事があるかも知れませんが、
宗教の熱狂というか変な熱を上手く表現してたと思います。
不思議な漫画です。

祝福王の最後の言葉の「○○を祝福せよ」(ネタバレ見たいになるので一応伏せます。)
この言葉は当時これこそ仏教の核だと勝手に思い込んじゃいました。

勿論全然仏教と関係無かったんですけどねw


ザ・ボイス 宮崎哲弥×佐々木閑 をたまたま聞いた時に
宮崎哲弥さんが自分は大乗仏教徒と言ってたのはちょっと驚きました。
現代日本の潮流的に大乗仏教より上座部仏教に関心が移ってる中ハッキリとそう言ってたのはビックリしました。
宮崎哲弥さんの中で色々な考えがあるんでしょうね。
Commented by rakuchin-dou at 2018-03-11 02:16
豚丸 様

コメントありがとうございます。

>仏教は人生に絶望してる人には薬になります。逆に人生を謳歌してる人が仏教に触れると、絶望感に取りつかれてしまう危険があるかもしれません。

そうかもですけど、生まれつき物質的に全てが満たされといえる釈迦ですら苦を味わった訳ですから、知っておいて損はないと思います。

まあ、たかが仏教を知ったぐらいで人生が謳歌から絶望になる人ならば、どの道いつか躓きますけどね。
Commented by rakuchin-dou at 2018-03-11 02:17
tokoroten093 様

コメントありがとうございます。

代打屋トーゴーは好きな漫画でしたが、祝福王は連載時に途中までしか読んでないんですよね。

文庫版の解説は私がファンだった呉智英さんみたいで、時期を見て最後まで読んでみたいと思います。

>宮崎哲弥さんが自分は大乗仏教徒と言ってたのはちょっと驚きました

出家してないのであれば、(大乗)仏教徒になるんでしょうね。

宮崎さんは原始仏教を認めながらも「最初期仏教から龍樹辺りまでの大乗仏教へ思想の連続性がある(ごまかさない仏教 P43)」というお考えのようです。

日本に仏教が伝来した時のように、大乗仏教こそが正しい釈迦の教えとかまでは考えていないでしょう。

私自身は、仏教を名乗る全ての教えを宗教や真理というより、人生に役立つ道具として使ったら良いという考えです。
Commented by rakuchin-dou at 2018-03-12 01:04
気になって「祝福王」についてネットで調べてみたが、何処かで結末まで読んだことがあったみたい。

多分、福岡に引っ越す前の国会図書館で、記憶から消えていたようだ。

呉さんと宮崎さんの対談本を読み返してみると、たかもちげんさんは創価学会の信者だったと書いてある。
Commented by tokoroten093 at 2018-03-12 19:05
>宮崎さんは原始仏教を認めながらも「最初期仏教から龍樹辺りまでの大乗仏教へ思想の連続性がある(ごまかさない仏教 P43)」というお考えのようです。

なるほど。
そういう事だったのですか。
宮崎さんが何かの番組で龍樹の事を語ってたので腑に落ちました。


>たかもちげんさんは創価学会の信者

全く知りませんでした。
たかもちげんさんの漫画は祝福王以外も読んだことありますけど、創価学会の影響は感じませんでした。

でも祝福王みたいな宗教物を描いたのは創価学会の影響で宗教を一般人よりも身近に見てたからかも知れませんね。
Commented by rakuchin-dou at 2018-03-14 02:32
tokoroten093 様

前半は新興宗教の黎明期の内容でしたし、祝福や神というとキリスト教ぽい気はします。

ラストの言葉は故・たかもちげんさんが出した結論なんでしょうね。

文庫版解説の呉さんも、創価学会や法華経の影響はないと考えているようです。

私は、法華経の「一切の衆生がいつかは必ず仏に成る」教えには何らかの影響はあったのでは?と思っています。

神の存在や信仰、真理や悟りについても、結局は個人の内にしかないのは確かだと思いますよ。

福岡市中央区今泉の整体・鍼灸院のブログ。仕事関係より読んだ本の感想がほとんど。
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