仏教と科学が発見した「幸せの法則」(サンガ)
内容紹介
「私」という幻覚を越え、「真の幸福」へ!
2500年前の「ブッダの教え」と
最新の「幸福学の研究」が、
「幸せになる」というゴールへ、
重なり合いながら突き進む――
生き方をダイナミックに変える白熱対談!
■茂木健一郎 氏 推薦!
■池谷裕二 氏 推薦!
幸福についての議論は、時に表面的なものになりがちだ。ロボット工学、意識の科学、幸福学の知見が、仏教の思想、実践、伝統と響き合う本書は、深い本質の部分での「幸福論」を提供している。知的好奇心と感情の両方が満足する、稀有な本である。
茂木健一郎
「私」の実存を否定することでヒトは幸せになる――。本書ではそんな火の玉のように熱い議論が、しかし静謐に展開されます。そして、読み終えた私の中に新しい自分像が芽生え、なぜか不思議と安堵するのです。
池谷裕二
上座仏教(テーラワーダ仏教)長老とロボット工学・幸福学を研究している大学教授の対談。
心の研究では2500年の歴史を誇る仏教の長老に教授が質問していくという展開が多いように見える。
具体的且つ論理的に答えているスマナサーラ長老は流石。
後で、スマナサーラ長老も事前に前野教授の本を読んで予習していたことが語られる。
釈迦が唱えた「諸行無常」「諸法無我」「一切皆苦」は突き詰めて行けば到達する結論ではある。
しかし、誰一人として反論できない「100パーセントのデータを取っている」と語ったり、「仏教が科学より上」だと匂わせるところを読むと、優れた長老でも所詮宗教の枠の中の人だと思う。
個人的に面白かったところを要約する。
仏教の「生きることは苦」ではあるが、生きるということだけ注目すると世の中の不満や物足りなさが生きるエネルギーになっている。
実際に、エネルギーの理論で存在欲の業が強い人は長生きする。
実は「生きる」というシステム中には幸せはない。
幸せについても、希少で高価な物を手に入れたとか美味しいものを食べた時にも幸せを感じるが持続しない。
持続する幸せを生み出すには、人を助ける、慈しみを実践、怒るのではなく許すという行為をした方が良い。
世界の平和を望むなら、まず自分が幸せになること。
しかし、人のOSにある「私は完璧」とか「私は正しい」という自我がある限り実現は不可能。
現状の不満と未来への不安から「過去にとても優れた良い時代があったので、その時代に戻ろう!」と考える人が歴史的に多く出てくるが、この「過去にもどれ」は脳の欠陥である。
・・・余談で「存在欲の業が強い人」のところを読んで、先の衆院選を小選挙区で勝ち抜いた菅直人さんを思い出した。
個人的には彼の政治姿勢は好きにはなれないが、政治の世界で生き残るための執念は強く感じた。
(同じ地元に住む同業者の友人曰く「たまに居酒屋で会うけど良い人だよ」とのこと)
また、武術の世界では「どんなことをしても生き残ること」が目的であると語る先生を多く見てきたが、「生き残るだけならその辺の動物と変わらないよな~」と思うことがよくある。
by rakuchin-dou
| 2017-11-09 01:50
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