躾道館 小林直樹先生
(ロゴの名称が躾道会になっていますが、現在は躾道館です)
私は整体、鍼灸、カイロプラクティックと沢山の尊敬する先生と出会いましたが、実は治療の先生に正式に弟子入りをしたことはありません。
習い事で私が唯一弟子入りしたといえるのが、東京都北区赤羽の躾道館(びどうかん)
小林直樹首席師範 武術の先生です。
先生は武術家としては珍しく(?)他流の悪口を言わない先生で、「流派に優劣は無い。あるのは個人の実力だけ。」という考えで、それでいて自分が習った師匠を絶対的に信頼しているところを尊敬しています。
先生との出会いは10年ほど前で、当時働いていた岐阜の仕事では夏休みが無い代わりに1週間の休暇を選択できるシステムだったので、沖縄に旅行に行こうと思っていたところ、3月で多数の卒業旅行の予約などでチケットがとれず、家にいてもしょうがないので考えた末東京に行くことにしました。
この時お会いした武術研究家のN先生から「表には出ないけど、凄い実力のある武術の先生がいるんだ!」という話を聞き、とても興味をもったのが切っ掛けです。(N先生は、とかく問題があるといわれる人ですが、当時は世に埋もれていた実力のある先生を雑誌等で紹介していて、人徳はあると思っています)
この後、N先生に何度かお会いした時に、「俺は小林先生が本気で動くところを映像で撮りたいんだよー、誰か先生の相手をしてよ。」と言うので、当時まだ気の強かった私が、「それなら、自分が…」とお願いし、先生の道場に行くことになりました。
N先生と赤羽で待ち合わせると、もう一人男性がいて聞くとアメリカで詠春拳(ブルース・リーが習った拳法として有名)をやっていたと言っていました。
道場に着くと、そこは普段バレエスタジオとして使っているところで、中に入ると小林先生がニコニコとした顔で出迎えてくれましたが、先生の周りから変なオーラのようなものが出ているように感じられ、嫌な予感がしました。
先生は、「君は太氣拳(正式名称は太氣至誠拳法 澤井健一先生創始)に興味があるんだって?」と言った後、突然ババッと動いて、その動きは‘爆発’と形容するのが適切かどうか分かりませんが、同じ人間とは思えない動きでした。
それを見た私は既にビビッていましたが、先生は「君は何をやってきたの?ボクシング、柔道、空手、合気道(この当時私は、実力はともかく20年近くのキャリアです)あ、そう、じゃあ靴下脱いで…」というので言われた通り靴下を脱ぐと、先生はふわっと立っていて「どこからでもかかってきなさい!」と既に戦闘モードに入っていました(先生に出会ってから5分ぐらいの出来事です)。
一応手を壊さないようにオープンフィンガーグローブなどの防具も持っていたのですが出す間もなく素手素面のままでしたが、私も覚悟を決めて、誘いの左ジャブを打とうとした瞬間、先生は既に私の横にいて、更に攻撃を誘っている余裕が見えました。
その後、見えないところから顔を打たれたので、びっくりして顔を伏せると、頭を押さえられ「(実戦では)顔を下に向けるな!」と言いながら、私の顔をビンタでバシバシ叩かれて、私はここで戦意喪失で終了です。
実は以前N先生が同じようなスタイルで私に技をかけたことがあったのと、先生の裏(?)ビデオを見せてもらっていたことがあり、喧嘩術としての先生の攻略法は事前に考えていましたが、そんなことは既にふっとんでいました。
実際にやっていたら、その時は本気の姿が観れたかもしれませんが、確実に半殺しの目にあっていたのでやらなくて良かったです。
(先生は若い時、赤羽の番長(死語です)といわれ喧嘩も強く、当たり前とはいえ、他武道、格闘技を相当研究していていて、私よりはるかに上のレベルの格闘家を圧倒しています。)
「では、次」と言っていましたが、詠春拳の人は出てきませんでした。
感動してすぐに先生に弟子入りし、数か月に1度岐阜から東京に出て来る形で、先生からマンツーマンで教えを受けました。
ある時、先生の本気だと思う動きを見る機会がありました。
先生の本筋は師匠である櫻公路一顱(さくらこうじかずたか)先生の交叉法(交差法とも 先の先、後の先、対の先と手足の交差)ですが、他人に本当の動きを見せることはほとんどありません。
夕方赤羽の公園で教えてもらった時、先生が何気に動いたかと思うと、手足の動きがだんだん速くなっていき、最後はぶれて残像だけしか見えなくなりました(N先生は加速装置と言ってましたね)。
私も武術の縁だけはあり、数多くの達人と呼ばれる人に会うことが出来ましたが、これだけのインパクトを残した先生は他にはいません。
その後東京に引っ越し、正式に入会し途中練習に行けなくなることもありましたが、現在に至る感じです。
東京から福岡に引っ越す前に、先生と二人でお酒を飲んだ時「森ちゃん(私のこと)が来てた時は本当に楽しかったよなぁ」と語られ、私も目頭が熱くなりました。
別れる際、「俺の弟子には、駄物はいない!わかったか!!」と言われました。
ただ、先生が仰るように私はあまり欲のない人間でして、こちらで、“本気で”趣味の延長のような治療院を開業していますが・・・先生、いいですよね。
躾道館武術1 嫡流真伝中国正派拳法編
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整体・薬院らくちん堂
by rakuchin-dou
| 2011-09-06 23:58
| 雑感
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