内容紹介
偏頭痛 うつ 腰痛 肩こり……etc.
5月、6月、この季節になぜか調子が悪くなるのは、
「気圧」のせいかもしれません!
1000万人の気力を奪う“自分にしかわからない痛み・不安"を、第一人者が解消する一冊。
◎天気痛チェックリスト◎
□ なんとなく、雨が降りそうだとわかる。
□ 季節の変わり目は具合が悪い。
□ 寒さが苦手。冷え性だ。
□ 乗り物酔いしやすい。飛行機や新幹線が苦手。高いところが苦手。
□ 耳鳴りしやすい。耳抜きが苦手。
□ 過去に首を痛めたことがある。事故やスポーツでケガをしたことがある。
□ ストレスが多い。
昔から、「雨が降ると古傷が痛む」とか「台風の時は頭痛や膝腰が痛くなる」などの話は経験談としてよく聞くが、著者はこれらの痛みを天気痛と名付けた。
日本で推定1000万人以上が天気痛の症状があるらしい。
まず最初に、痛みのメカニズム→急性-慢性の違い、ストレスと自律神経(交感-副交感神経)の関係、痛みの脳の認知など、基本的な知識は押さえておく必要がある。
私が初めて知った話は、慢性痛のある人は交感神経が興奮しているのだが、体がストレスを感じていることを脳に伝えるために痛みの神経に本来ないはずのアドレナリン受容体をつくるという話。
意外なのは、今までは慢性痛のある箇所は交感神経の活動が活発になっていると考えられて、交感神経ブロックなどで興奮を抑制すれば痛みは軽減するはずだが、実際には効かない人がいる。
実際に調べてみると、逆に交感神経の活動が弱くなっていたというのがわかり、交感神経が興奮すると放出されるノルアドレナリンという神経伝達物質が少なくなるため、それを受け取る痛みの部位の方がアドレナリン受容体が数を増やすことで興奮しやすくなっている。
この辺の話は、均整法を習っていた時に観歪法という当時の生理解剖学(+東洋医学)を元につくられた脊髄神経反射法が、理論通りに実践しても中々思った効果が出ないことはよく聞いていたし、その後習ったカイロプラクティックでも効能書き通りにならずに苦労していた現場は多数見ている。
著者も天気痛は単純ではないと言っているが、天気痛のある人が内耳が敏感になっていること、気圧や気温の変化と内耳のリンパ血流のむくみの関係、内耳と脳を繋ぐ前庭神経の役割に注目していて、我々代替医療に関わる人なら痛みの部位以外にも耳や側頭部の調整での痛みの変化を実験してみるのも良いだろう。
あとは、日々の仕事にも影響する天気痛の概念が普及していくと、以前の心療内科のように新たな大きな利権が生まれていくかもね。
by rakuchin-dou
| 2017-05-26 23:34
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